映画の感想は、映画を完走した者のみ語ると良い。私はググるが。
今週のお題は「最近見た映画」とのこと。
最近。見た映画。
お題にはなるたけ参加したい所存であるが、初手から詰んだ感が強めのお題である。
まあ私が普段生活しているのは何の変哲もない地方都市である訳で、普通に生活していれば映画の一つや二つに触れる機会は十分にある。
ついでに言えば私の場合、Amazonプライムという時間崩壊サービスにも加入しているので、スマホさえあればいつだって視聴可能な環境と言える。
じゃあ何に詰んでいるかといえば、映画の部分ではなく、最近という部分だったりする。
最近、といえる位の記憶の中で、果たして最後まで見切った映画があっただろうか。
例えば先月位だったか、夜のロードショーで映画を見ていた。うろ覚えだが、惑星移住船の中でトラブルにより自分だけ目覚めてしまった、みたいな映画である。
食後の大福&ソシャゲ周回しながら見で大層恐縮だが、葛藤や人間ドラマもあり、面白く見ていた。途中までは。
22時を過ぎた頃だろうか。
映画も中盤となり物語が動き出す最中、私はこう思ったのだ。
「眠くなってきたな」
しかし、映画の続きはとても気になる。
なので私がとった行動は、Googleで映画の結末を検索する、という行動だった。
この時点で、目の前に熱烈な映画ファンなどいれば刃傷沙汰待ったなしだが、申し訳ない。
私のような者では思いつかないような考察まであり、なんなら得した気分すらあった。
そもそもである。
人は年々老化していくわけで、特に集中力などその際たるものと言える。
割と全盛期に近そうな大学生でさえ、一度に集中出来る時間は90分程度であり、講義の時間もそのように調整されている。
翻って、映画というのは本来、レクリエーションの筈である。
にも関わらず、うかつに再生ボタンを押すと、なんと120分もの間、集中を求められるトラップが発動するわけだ。
それも、老いた我々に対してである。
これで楽しめというのは、初心者をゴンドラ無しの登山に連れていくようなものだろう。
膝に手をつき過呼吸気味のところ、「ほら、いい景色だろ!」と意見を求められても「いいから酸素缶もしくはビールをよこせ」としか言いようがないのだった。
なるほど。映画館のフードが充実しているわけである。
あれば、要するに、麻酔。
ということで、今回のお題に関して言えば、まともな内容はとても書けない。
せいぜいが、
「今流行りの映画を(横目で)見てきました」「買って積んだままのおすすめ作品3つ」
「こだわりのホームシアター、をポテチを触れた手で弄る」
しかない。
最後の一つは訴訟案件と思慮される。
私のような者は、朝ドラか30分のミニドラマ、世にも奇妙な物語を一週間かけて見てろ、ということなのだろう。